日本の中のフィンランド
飛行時間の長さからいえば、フィンランドはEU諸国の中で一番日本に近い国ですし、地図上では、フィンランドと日本の間にはたった一つの国しかありませんが、フィンランドと日本はまだまだ遠い国です。地理的な距離はありますが、フィンランド人と日本人はお互いに親しみを感じます。それは、自然や静けさに対する気持ちを、お互いが共感できるからである、と言われています。
フィンランドと日本の関係がいつ頃始まったのか、はっきりと言うことは不可能ですが、とても早い時期に、それも公の立場で日本を訪れたのはアダム・ラクスマン中尉でした。
17 世紀の終わりごろ、ロシアの女帝、エカテリーナ2世が、遠く、閉ざされた国との交易が可能かどうか、調査のためにラクスマンを派遣したのです。ラクスマンに続いて、1879年、アドルフエーリック・ノルデンショルドが横浜港に到着しています。ノルデンショルドは有名な探検家で北東航路を最初に航行しました。
フィンランドと日本の外交関係が樹立されたのは1919年、フィンランドが独立国となってわずか一年半後のことです。長い友好の歴史を経て、2国の結びつきは強まり、現在では友好的で積極的な関係が保たれています。
フィンランドと日本の政府間の良好な関係に加えて、市民、自治体、学術分野の交流、ビジネスや文化の面でも二国間には強い絆があります。日本はフィンランドにとって、ヨーロッパを除けば、主要な貿易相手国です。フィンランドはサンタクロースの故郷、または北極圏の不思議なオーロラ、サウナ、ムーミンと仲間達の故郷、北の無垢な自然からインスピレーションを受けた偉大な作曲家シベリウスを生んだ国、などとして日本ではよく知られています。こういった従来のイメージは今でも真実であり、フィンランドを馴染み深いものにしています。
現在、フィンランドのイメージは多様化し、新しいイメージもフィンランド像には欠かすことはできません。高度な技術に支えられた福祉社会として日本では認知され、また、フィンランドの教育制度は日本を含む全世界の注目を浴びています。
現在、日本にはおよそ800人のフィンランド人が住んでいます。その理由は、結婚などにより日本に永住している人、短期間の滞在の人、仕事や勉強など、様々です。
フィンランドやフィンランド人については、大変多くの、様々な分野の友好団体によって紹介されています。