ゲイ・カルチャーのアイコン的存在、Tom of Finlandによる作品日本初個展
ゲイを描いたアートでLGBTQの権利を訴えたフィンランドの作家TOM OF FINLAND(トム・オブ・フィンランド/1920年〜1991年)の日本初の個展“Reality&Fantasy The World of Tom of Finland”を開催致します。LGBTQコミュニティのみならずアート界でも影響力のあるTom of Finland 。日本初公開となるTom of Finlandのオリジナル作品30点の展示を予定しています。 本展は、フィンランドセンター、駐日フィンランド大使館、TOM OF FINLAND財団、The Container、パルコの共同開催となります。展覧会のキュレーションは東京を拠点にキュレーターとして活動、自身のギャラリーThe Containerのディレクター シャイ・オハヨンが担当。本年はTom of Finland生誕100周年(#TOMs100)にあたります。
※新型コロナウイルス感染拡大に伴い延期となっていた個展が、日にちを改めて開催されることが決定しました。
2020年9月18日(金)~10月5日(月)
展覧会名:Reality & Fantasy
The World of Tom of Finland
会場:GALLERY X(渋谷PARCO B1F)https://art.parco.jp/
営業時間:11:00~21:00
*最終入場は営業終了時間の30分前
*10月5日(月)は18:00に営業終了いたします。
入場料:500円(未就学児の入場はお断りいたします。)
記者会見: 詳細後日
プレス向け内覧会: 詳細後日
オープニングレセプション: 詳細後日
関連プログラム:2020年9月18日(金)~10月5日(月)
※詳細後日 ※プログラムは変更となる場合がございます。
フィンランドセンター所長アンナ=マリア・ウィルヤネンによるキュレーション
Tom of FinlandとLGBTQの権利にまつわるトーク、レクチャー、ワークショップを展開予定 http://www.finstitute.jp/ja/(他のウェブサイトにリンク)
映画「Tom of Finland」(2017年、ドメ・カルコスキ監督)上映会
2020年9月18日(金)~9月24日(木)
会場:WHITE CINE QUINTO(渋谷PARCO 8F)https://www.cinequinto.com/white/(他のウェブサイトにリンク)
2020年9月25日(金)~10月8日(木)
会場:SHIBUYA UPLINK https://shibuya.uplink.co.jp/(他のウェブサイトにリンク)
サテライト展「Tomへの頌歌」
2020年9月21日(月)~11月30日(月)
会場:The Container(中目黒)http://the-container.com(他のウェブサイトにリンク)
ToFの作品から影響を受けた日本人アーティストの展示
参加アーティスト:田亀源五郎、三島剛、Jiraiya
オープニングレセプション:詳細後日
この度、ゲイ・カルチャーのアイコン的存在であり、その作家名Tom of Finlandとして知られる、フィンランド出身アーティスト、トウコ・ヴァリオ・ラークソネン(1920-1991)の日本初となる個展を開催いたします。渋谷パルコのGALLERY Xで開催する本展は、フィンランドセンター、駐日フィンランド大使館、Tom of Finland財団、The Container gallery、パルコの共同開催となります。展覧会のキュレーションは東京を拠点にキュレーターとして活動しながら、自身のギャラリーThe Containerのディレクターを務めるシャイ・オハヨン氏が担当。さらに、展覧会が開催される本年は、Tom of Finlandの生誕100周年(#TOMs100)という節目でもあります。
本展覧会では、1946年から1989年の間に製作された30点の作品から成り、Tom of Finlandのキャリア全体を網羅しながら、彼の多彩な才能に注目すると同時に、LGBTQの権利を世界中に推し進め、ゲイ・カルチャーの創成期を担ったLGBTQのレジェンドとしての彼の一面も紹介します。
アーティストについて
Tom of Finlandの作家名で知られる、トウコ・ヴァリオ・ラークソネン(1920年5月8日生まれ、1991年11月7日没)はフィンランド出身、ホモエロティックなビジュアルの作品や20世紀後半のカルチャーシーンに多大な影響を与えたことで名を馳せました。イラスト、ドローイング、版画、ペインティングなど、彼の残した作品は3500点以上にのぼり、エロティックなポージングや構図で男性を主題として描き、近代の社会における男性らしさやゲイ男性の立場を再定義することを試みました。
主な作品の収蔵先にはニューヨーク近代美術館、Rhode Island School of Design(他のウェブサイトにリンク) Museum of Art、シカゴ美術館、ロサンゼルス現代美術館、ヴァイノ・アールトネン美術館(トゥルク)、バークレー美術館(ロサンゼルス)、ロサンゼルス・カウンティ美術館、ヘルシンキ現代美術館、サンフランシスコ近代美術館、Tom of Finland財団(ロサンゼルス)等があります。
2006年、Tom of Finlandの作品5点が財団からニューヨーク近代美術館へ寄贈される際に、ジュディス・ロスチャイルド財団の理事であるハーヴェイ・S・シップレイ・ミラー氏に「20世紀の最も影響力のアーティストを5人挙げるとするならば、Tom of Finlandはそのうちの一人である。非常に素晴らしいアーティストであり、彼が与えた影響は並外れたものである」と言わしめました。
展覧会について
「Reality & Fantasy The World of Tom of Finland」は、作家の40年にわたるキャリア全体を網羅しながら、グラファイトやグアッシュ、マーカー、ペン、インクなどのさまざまなメディウムを用いて制作された作品を紹介し、Tom of Finlandの活動のマイルストーンとも言える作品を通し、彼の人生や実践を通して発展していった芸術的なスタイルを軸に展開します。彼が40代~50代頃に制作していたグアッシュを使用したペインティングでは、彼自身がフィンランドの軍隊に従事していた経験が見て取れ、海兵隊や兵士、警察官といったスタイリッシュな装いや制服姿の男性が幻想的かつロマンティックな構図で描かれています。60代~70代のころにはレザーの衣服を身にまとった男性や鍛え上げられた肉体を持つ男性がスタイリッシュに描写されるようになり、ロサンジェルスに拠点を移したキャリア後期には、洗練された、コントラストの高いグラフィティカルなドローイングを残しました。
また、本展ではアスレチックモデルギルド(AMG)からコミッションとして依頼を受けて制作された作品も数多く展示します。AMGは、アート写真として女性のヌード写真が認められていた一方、男性のいかなるヌード写真をも禁じる当時のアメリカの検閲に関する法律に対するリアクションとして、ボブ・マイザーによって1945年に設立されました。マイザー、AMG、そして彼らの発刊していた雑誌『Physique Pictorial』はアメリカでの同性愛者の権利運動と同義であり、LGBTQの人々が社会的に受容されていく基盤を築きました。マイザーとTomは長きに渡って一緒に仕事をしていました。当時の流行を心得て、Tomの名前に「of Finland」を付け足すアイディアもマイザーによるものです。本展では、Tomの名が一躍有名になるきっかけとなった、『Physique Pictorial』誌の表紙を飾ったドローイング2点(「無題」(AGM『Men of the Forests of Finland』より、1957年)、「無題」(AGM『Motorcycle Thief』シリーズより、1964年)など、誌面で掲載されたドローイングも数多く紹介します。
この展覧会では、Tom of Finlandが担った役割にもフォーカスしています。彼はゲイの人々が変えようと戦っていた法律や社会の厳しい現実に直面しながらも、男性の身体を官能的でエロティックに描くことで社会の変容とゲイの人々が受容されることを促したのです。性の解放とともにファンタジーの世界を追求しながら、Tomはまったく新しい「ゲイの男らしさ」を描くことで、当時の社会がゲイ男性に押し付けていたイメージを払拭しました。
Tom of Finland財団について
非営利団体であるTom of Finland財団(ToFF)は、1984年にダーク・デナーと彼の友人であるトムによって設立されました。Tom of Finlandはホモエロティック・アートの巨匠として世界的に認知されていたので、財団の本来の使命はTomの膨大な作品を保存することでした。設立から数年後には、性的な行動を描いたり、性的な反応を生み出すアートに対する過激な差別に対抗して、エロティック・アートが制約を受けずに発表できる環境を作り出すことへと活動の範囲を押し広げました。ToFFはエロティック・アートがもたらす文化的な効果を社会に広く知ってもらうための教育活動と、性に対するより健全で寛容な姿勢を促す努力を続けています。
www.TomOfFinland.org(他のウェブサイトにリンク)
映画「Tom of Finland」について
LGBTに対しての軽蔑や無理解と闘った芸術家が、何十年もの苦難の末につかみ取った愛と栄光の物語
第二次世界大戦後のフィンランド。同性愛は厳しく罰せられるため、トウコは身内にも隠れて、自らの本能的な欲望をドローイングとして表現し続けていた。
本名が海外では覚えづらいと考えた彼は「トム」と名乗り、描いた絵がアメリカの雑誌で表紙を飾ったことをきっかけに、その名はアンダーグラウンドからアートの表舞台へと一気に知れ渡る。そこから彼の“伝説”が始まっていく――
監督は、『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』3部作の原作者J・R・R・トールキンの伝記映画『トールキン旅のはじまり』のドメ・カルコスキ。フィンランドで最も成功した映画監督と言われる彼の、2017年度米アカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表作品である。
監督:ドメ・カルコスキ
出演:ペッカ・ストラング、ジェシカ・グラボウスキー、ラウリ・ティルカネン
2017年/フィンランド・スウェーデン・デンマーク・ドイツ/フィンランド語、英語、ドイツ語/5.1ch/シネマスコープ/原題:Tom of Finland/116分/
日本語字幕:今井祥子/フィンランド語監修:橋本ライヤ
配給・宣伝:マジックアワー
後援:フィンランド大使館
RUNNING TIME: 1h 56 min
2017 / Finland / Sweden / Denmark / Germany
© Helsinki-filmi Oy, 2017