フィンランド政府が創設した国際男女平等賞、2019年は「イクオリティ・ナウ」が受賞

男女平等の推進をグローバル規模で目指す「国際男女平等賞(International Gender Equality Prize)」は、フィンランドの独立100周年事業の一環として2017年に創設された。2年に1回の授与で、2019年の受賞金は初回の倍となる30万ユーロ。受賞者自身に授与されるのではなく、「国際的に大きな意味のある方法で男女平等が推進」され、「その進展が監視できる」プロジェクトに使われるよう、指定できる方式だ。授賞式はフィンランド南部の町タンペレで開催された。

2019年12月1日に発表された受賞者は「イクオリティ・ナウ(他のウェブサイトにリンク)」。25年以上の活動を通して、50以上の差別的な法律を変更させた国際人権団体だ。各国のニーズに合わせて地域ベースで活動するが、人身売買といった国際的な問題に与える影響も大きい。女性割礼や児童婚などに対する風習を徐々に変化させることにも成功してきた。

「私たちは、世界中の女性や少女に持続的な平等を与えるために、法律の力を使っています」と話すのは、イクオリティ・ナウのグローバル・エクゼクティブ・ディレクターを務めるヤスミーン・ハッサン。「女性や少女に対する暴力や差別に系統的な変化をもたらす」 ことが任務だという。「国の法律が、国民の扱われ方や国民同士の振る舞いを方向付けます。女性や少女が、男性や少年よりも権利が少なければ、差別は正当化され無視されるのです」

イクオリティ・ナウは、世界中から集まった300以上の候補の中から選ばれた。独立した審査員団には、ペッカ・ハーヴィスト外務大臣、フィンランド国家女性評議会のエヴァ・ビアウデット議長、国際会議Women Deliverの代表&CEOを務めるカトゥヤ・イヴェルセン、フィンランド初の女性首相だったアンネリ・ヤーッテーンマキ、そして男性や少年側への働きかけによって男女平等の推進を目指すPromundoのディーン・ピーコック上級顧問などが名を連ねる。

「男女平等というのは、教室であれ役員室であれ寝室であれ、男性も女性も同じ権利を謳歌することを意味します」と、イヴェルセンは言う。「少女や女性に投資すれば、一個人を超える以上の連鎖反応があり、結果として皆のためになることが数々の報告からわかっています」

「男女平等の世界を実現するには、意思決定機関にも男女同一の数が必要です」と、ビアウデットも語る。

フィンランドは、1906年に世界で初めて女性に選挙権と被選挙権を同時に与えた国。世界的に知られた教育や危機管理と並び、男女平等はフィンランドの人々が重要と感じる理念のひとつだ。第1回目の国際男女平等賞は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相に授与された。

By ThisisFINLAND staff, December 2019
https://finland.fi/life-society/equality-now-receives-international-gender-equality-prize-in-tampere-finland/(他のウェブサイトにリンク)